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本講座は、美術体系テキスト<色宇宙・配色調和>より抜粋したものです。  <色彩講座>第1回第8回第9回
Color Lecture
色彩講座
<第7回>
[編著]関根英二;
ルボー主宰
[CG]宇都宮 格;アトリエ・ルボー


1. 短色場のシステム
エネルギー特性可能から現然へ
無限 
スペクトルの始点,光学三原色の始点,
錐体三原色の始点(S)
 暗黒の原領域核心領の渦動重力場が生みだす質量と力のゆらぎに明滅する原始の光、これが始まりの色・菫である。可視波長の始まりであり、光の三原色の第一の色であり、網膜視細胞の三錐体中、最も原初的なS錐体(他の二錐体はMGY、LY)が感応する色、色感の始まりである。
 菫は、色宇宙正面図では、暗黒の核心領の彼岸の深奥に、超時空的なゆらぎのエネルギーとしてyz面上(x=0,-y,-z)にある。
 こうした時空特性から、凝集・深化する重力場を成し、且つ透層性、無限性を示す。したがって色度の強さとともに、その方位や次元、大きさ、形式、あるいはその動向、作用などといった時空的なすべてを超えている。
 無(限)と有(限)とが未分化のいわば原宇宙である。自然現象では、澄んだ夜空、海の深さの色であり、すべての色を包含する暗黒と「色」の世界との境界の潜勢的な場である


(紫味の青、慣用ではPurple-Blue)無:有(実)
 菫のゆらぎの力が正面図の垂直面(yz面)を超えて、左下後方(-x,-y,-z)に滲み出して紫青を生みだす。菫の無限のエネルギーが相転移して、位相的にひとつの持続性を獲得する。点(0次元)の質と力の発生である。
  量空間としてはxyzとも負であるが、質と力は正(有)の無限の宇宙が紫青の「場」である。
 したがって紫青(たとえばウルトラマリン)は、菫のような超時空的な歪み(ゆらぎ)はなく、等質・稠密(点密度大)で、無向的な電子霧のような質的力の律動の充溢・飽和の無限である。
  天空・海など無限の媒質であり、「場」、あるいは東洋的には「気」である。


相対性,対互性,対称性,複合
色覚反対色四原色の一,色料三原色の始点(顔料, インクはシアン)
 菫の無限、紫青の0次元につぐ青の時空は、一次元の力の流れや波動である。核心領の彼岸の色はすべて透過性をもつが、この青はその核心領のゆらぎによって生じた力の疎密(歪み)である。つまり力の疎と密とが交互に生まれ、その密なる部分はより質量的力が増し、疎なる部分は透明で流動的なエネルギーの場を成している。いわばエネルギーが凝集した場(物質)と力が複合され、密度ゆらぎと速度ゆらぎを生み、不連続線を形成していくのである。
 この青の位相は、色宇宙の垂直面(yz面)から水平面(xz面)ヘのマイナスの時空(これを短領域という)に働く重力核心の角運動量によって形づくられる。
 たとえば音波(縦波)や電波(横波)などのように密が疎に、疎が密にと変位していくのである。いわゆる物体の相互作用による力動ではなく力の場が移動していく時空である。
透明であることよって濃度の変化(疎密)が感じとれるような場水流などに生じる圧力ゆらぎ、波動、澄んだ天空などに見られる。


相関性,系列性,級(種類),連関性,範型,構造性
 青緑の時空は、数(量)と位相の次元である。青の時空ゆらぎが生み出した物質(密)と力(疎)という要素・要因が複合(2)重合(3)して、その位相・関係や方式・原埋といった、ものの種類(クラス)を成す基本的体系性を形成していく場である。
 エネルギーの場である物質は、原領域の渦動重力場が生む乱流の時空を、スピンをもって螺旋を描きながらはしり、相互作用し合い、いわば核構造や原形質のような範型や原理系を形成していく
 こうして物質と力による相対性(2)相関性(3)のシステムによって、場の種類と慣性系が生れる。
 この青緑は顔料名では夕ーコイズがあるが、およそ自然では夜明けの色、陰の緑、大気の層を透して見る緑など、云わば潜勢的な内部の色、水面下、地表下の色である。


量と位相,基準系,平面(E2),構造系,公理系
 この緑は境界色であって色宇宙の中心をよぎる水平面の慣性系である。青緑の螺旋状の力の流れがこの境界面に出会い渦巻や波紋を展げる時、この境界の位相特性に沿って、無限連続・等質等向の拡がり(二次元超平面という)があらわれる。これがエメラルド・グリーンである。
 この色は、いわゆる物体の表面色ではなく(物体は未だ生れていない)境界面の平面色であって、実質感はない。(因みにこの水面下の負の時空の色相はほとんど、油彩顔料では透明色である。)
 青緑の次元で秩序づけられた対称・平衡(シンメトリー)によって拡がる面(xz面)は、いわば超空間系で「量と位相」という空間の構造特性の基底となる慣性系(座標系)である。一様、平衡、共鳴の拡がりそのものである。
 図形性では、平面座標系としての直交軸、あるいは同心円などに象徴される。
 自然では海辺や磯などで海面(表面)となる寸前に現象する。

多,平衡,相称,実質面,領分
色覚反対色四原色の一

 エメラルド・グリーンの境界面を超えると面の領域が始まる。(色宇宙原領域の基準系を境にいずれの時空でも相転位が生じ、次元が増す。)
 水平面上、あるいは表面に出た具体的面は、相対的で有限の領分(面分)である。つまり、青緑の「物質とエネルギーの構造性」と、エメラルド・グリーンの「拡がりと方位」とによって実現された実質面である。
 その密度も拡がりも平衡・相称(シンメトリー)に拡充されたこのいわば「偶数」の領域は、全色列を通じて最も定常的・持続的な「地色の場」である。
 かびや苔、芝生や草原など、いわゆる「緑の大地」がこの緑である。顔料名でクロームG.カドミウムG.など

 この水平面より上の色列は物質的で不透明色が主となる。


対互綜合,全体性の拡張充実,動的平衡,自己表現体系,進化系
光学三原色の一,錐体三原色のM,スペクトル長波・短波の境界
比視感度最大(明順応),長色系・短色系の境界
 実質面である緑の領分の拡充は、その物質と力の充実によって相互作用場を生み、いわば細胞分裂が始まる。
 面密度最大のこの次元が、芽生え・増殖・成長・進化の象徴である緑黄GYである。
 新芽の拡充、その共振作用(対・偶数2)連鎖反応(互・奇数3)の慣性は、ほとんど等比的(指数関数的)に拡がっていく。
 Gは平衡・相称(シンメトリー)の偶数の場(4・多の統一)であるが、この緑黄は対(偶)の2と互(奇)の3との複合(=5)で、動的平衡(ダイナミック・シンメトリーという)の場である。
 画面に時計回りの渦があるが、これは互生あるいは輪生の葉が日照を読んで144゜の間をおいて生え、軸に関して五方向に拡張していく秩序を示している。これは青緑の時点で、種の慣性として形成されているシステムで、原子・分子・個体といった階層構造のシステムでもある。
 この緑黄の増殖進化の特性は、身辺では、その共振・連鎖反応によって、たとえば、衣服が肌色を侵す現象も見られる。
 色彩学では、この色がスペクトル中最も視感度にすぐれている(昼間視)ことから比視感度の基準となっている。
 また色宇宙では、Vに始まる無限的で低次元(0, 1, 2次元)の短色系列から高次元の長色系列への境界を成す色である。
次回は「色宇宙の体系[後編」-長色-」となります。


   <色彩講座>は現在、下段ブルーの回を公開しています。  
  第1回「序・構成感覚と構成力を豊かにする、色の宇宙・形の宇宙をひらくー」
第2回「創造の宇宙と色宇宙」
第3回「東西の色の原点ー玄と光ー」
第4回「色体系の位相ー原色その数と種類」
第5回「順序は秩序」「色の場ー色の三属性と四属性ー」

第6回「色宇宙--統一色場の色体系」
第7回「色宇宙の体系:前編」top
第8回「色宇宙の体系:後編」
第9回「色宇宙と形態の体系」
 

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